【ベンジャミンの功利主義】原理からユニークなアイデアを創造する
ベンジャミンの功利主義とは??
ざっくり言うと、
幸福(快楽) - 不幸(苦痛) = 効用
を最大化すべきという原理です。善悪の判断ができる武器と言えるでしょう。 この原理を国政に適用し、国民全体の幸福が、苦痛の総和を上回る政策はそうならない政策に比べて優れた政策という判断基準を生み出しました。
極端な、架空の集団な例で言うと、食料が切れてしまった無人島に5人が残されてしまった状況で、4人が残りの1人を食料にすることは善い行いという事になります。
具体例(ベンサムの提案)
貧民管理
貧民のために自己資金で運営される救貧院を設けようというアイデアです。物乞いを目にすると、通行人は憐れみで心が痛んだり、嫌悪で不快になったりと幸福が損なわれます。救貧院に収容される全物乞いが感じる不幸の総和より、一般の人々が感受する苦痛や不快の総和が上回ると結論づけたのです。 道徳的にこのアイデアを採用する国は世界中どこにも存在しないでしょうが、功利主義に照らし合わせると善いアイデアなのです。
円形刑務所
看守が受刑者からみられる事なく監視できる中央監視等を備えた刑務所。ベンサムは、この円形刑務所を民間の契約者が運営し、見返りに1日16時間労働させられる受刑者からの利益を受け取ってはどうかと提案しました。
考察
独自の原理に照らし合わせることで生まれる独自のアイデア
一見、ベンサムの提案はあまりに酷いように思えますが、ユニークかつ社会の効用を減らすことができるアイデアです。 理想の状態「幸福の総和>不幸の総和」を強く意識したまま問題解決の手段を考えることは、独自のアイデアを産みだすいい手法だと言えるのではないでしょうか。
参考文献
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケルサンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/25
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